桃子とふたりっきりのダンススタジオ。
あたしは下半身をぐっしょり濡らし、力なくうなづいた。
「あの…トイレ、行こうとしたんだけど、間に合わなくて」
そんな言い訳、幼稚園児までだろう!
自分で言っててあたし、ウソ臭いなって思う。
小学5年生にもなって、我慢しきれず出してしまうわけがない。
学校でそんなことしたら、卒業まで「小便娘。」のあだ名が付けられてしまうこと
うけあいだ。
しかも…。
あたしより一つ年上の桃子。しっかりしている子。
映画では主役を張って、ZYXでも可愛い声で、幾つかのボーカルパートを担当していた。
えりかと並んで、ライバルかな?って思っている相手だ。
そんな相手に、こんな屈辱のシーンを目撃されてしまった。なんか思いっきり弱みを
握られた気がする。この先何年も、この事件をことあるごとに蒸し返されるのか。
悔しい気持ちで胸がいっぱいになって、あたしは目に涙を浮かべ、鼻をすすった。
「めぐ、泣かないで、女の子はそういうこともあるよ、我慢できなくて、あたしも
お漏らししたことあるから、気にしない」
桃子があたしの手を取って、励ます。とても意外だった。
右手、少しオシッコで濡れてるんだけど、気がつかなかったみたいでラッキー。
「…ホント?桃子も、ここでしちゃったことあるの?」
「うん、ちょびっとだけだったから、みんな気づかなかったの」
たとえウソだとしても、あたしの恥ずかしさを軽くするためのウソだ。
それにしても少しお尻が冷えてきた。気持ち悪そうに半パンの裾をつまむ。
じっとりと肌に張りついて、べとべとして、気味が悪い。
「めぐ、着替えないと風邪引くよ。ちょっとそこで動かないで待ってて」
あたしを手で制した桃子はタタッと走って壁際に向かう。
ロッカーを開けバケツを探ると、乾いたぞうきんを数枚手にして戻ってきた。
かがんで、床に溜まったオシッコを拭き始める。
「あっ、そんな、自分でやるからいいよ、汚いって」
「ううん、動かないで。そうだ、靴も濡れてるから、脱いじゃってくれる?そのまま
歩くと、フロアが汚れちゃう」
これがお母さんなら普通に甘えてしまうところだけど、さすがに同年代の子だと
恥ずかしい。かといって、テキパキと片付けている桃子の手から、自分の小便で
濡れそぼったぞうきんをひったくって、拭き掃除を始める気にもならなかった。
いいや、一応お姉さんだし、綺麗にしてもらっちゃおう。
ダンスシューズを脱ぎ、靴下を取り去る。あたしがお任せモードになり、棒立ちに
なっていると、彼女は乾いたふきんを使って濡れた太腿をぬぐい始めた。
他人に体を拭いてもらうなんて、小さい頃、親と一緒に風呂に入っていたとき以来だ。
彼女はあたしのふくらはぎから、太腿に至るまでしっかりと水気を取り去ってくれた。
オシッコの独特の匂いがぷんぷん漂っているというのに。
「これでよし!じゃあ、…パンツ替えないとね」
「え、で、でもあたし、替えなんて持ってきてないよ?」
「あたしの貸してあげるよ、更衣室行こう」
桃子は自分のカバンを持つと、スタスタと扉に向かった。
慌てて、濡れたシューズに靴下を詰め込み、裸足で追いかけるあたし。
お尻にパンツがひっついて、変な歩き方になっちゃう。
ドアの近くに置いておいた自分のカバンを引ったくって、外に出る。
先生に会いたくないな…。廊下に誰も居ませんように!
桃子の後に食いつくようにして、ソロソロと歩く。
更衣室はすぐそこ。でも事務室もすぐ横だ。
あたしの願いも空しく、足音を聞きつけたのか、そのドアが開いた。
「あら、まだ練習してたの?嗣永はどうした、忘れ物?」
「はい、めぐみちゃんに用事があるのを忘れていました。失礼します」
「…し、失礼しマース!」
とっさに彼女の陰に隠れたので、半パンの染みは見られなかった…と思う。
むしろ、桃子が意識的にあたしを隠してくれたような動きだった。
なんでこんなに優しいんだろう?
いや別に、今までも意地悪されたことは無かったけどさ。
「ほら、めぐ。早く入って」
4畳半ほどしかない、小さな更衣室。電気をつける。灰色の縦長ロッカーと長机だけの
殺風景な部屋だ。とりあえず、靴を床に置いた。
「…えーと、あたしどうすればいいの?」
我ながら間抜けな質問だけど、自分のカバンに替えの下着が入ってるわけじゃない
から、主導権がどうも取りづらい。桃子は首をかしげた。
「どうって、めぐ、早く脱ぎなよ。脱がないと替えられないじゃん」
「あ、…そ、そうだよね」
当たり前の答え。でも、なんか恥ずかしい。これが男の子の前だったら、普通に
外に出てって、と言えるんだけど、さっきから甘えちゃってる桃子には言いにくい。
パンツを借りる側としては、どうも立場が弱くなってしまうわけで。
長机に座りながら、届かない足をぶらぶらしている桃子がじっと見ていた。
心なしか体を斜めに傾けて、恥ずかしい部分を見られないようにして、あたしは半パンに
手をかけた。ボタンもファスナーも無いので、そのままパンツごと下ろす。
ズルッ…濡れたズボンが太腿に巻きつき、ふたたび肌に湿り気をもたらした。
股間に密着した白いグンゼのパンツが、変色してズッシリと重い。
ふわっと、自分のオシッコの匂いが、下半身から立ち上るのがわかる。
汗の混じった、香ばしい刺激臭。
濡れたお尻が外気に触れて、だんだんと乾いていく感覚。
そのまま左足を上げ、パンツを抜く。同様に右足からも抜く。
裏返った下着の生地の中央が、黄色く汚れていた。お尻の部分は褐色の染みが少し
だけ付いている。朝、ウンチした時、ちゃんと拭いていなかった!
…恥ずかしい。
だらしない女の子だと思われそうだ。桃子に見られないように、クルリと丸めて
床に置いた。両手を組んでワレメを隠し、桃子に向く。
「あの…、パンツ貸してくれる?」
返事が無い。じーっと、あたしが手で隠している所を見つめている桃子。
女の子のそこが珍しいわけはない。だって桃だって同じワレメがついているのだから。
これが友理奈や、千聖だったら、また別かもしれないけど…。
不意に過去のことを思い出す。ダンの時の夜。
あの2人を相手に、エッチなことをした、忘れられない行為。
友理奈があたしのお腹めがけて、「せい液」を出したこと。
隣で桃子が、千聖のチンチンをいじっていたこと。
鮮明に思い出される記憶。
突然、心臓がドキッとした。あたし、今、カオ真っ赤じゃない?
桃子、何か、しゃべってよ。場が持たない。
「ねえめぐ、拭かないと。パンツ履く前に、ちゃんと拭かないと、気持悪いでしょ?」
「あっ、うん、そうだ…そうだよね」
破られた沈黙、あたしはカバンを開けて、汗拭き用のタオルを取り出した。
それを待っていたかのように、桃子は長机から降りると、すうっとあたしに近寄って
タオルを持った手を握った。
「えっ…何?」
「貸して、あたしが拭いてあげる。ほら…」
どういうこと?まさか、あたしのアソコを?
タオルを強引に奪われてしまったあたしは、妙な迫力の桃子に立ちすくんだ。
彼女はしゃがむと、目の前に移ったあたしの下腹部に布地を当てる。
「あっ…やだ…」
ピクッと声を震わせ、腰を引いてしまった。まるで、ヘンな事してるみたい。
桃子の左手が、お尻を掴んで、動けないようにガッチリと固定する。
タオルはほんの少し生えているあたしの若草のしずくを吸い込み、そのまま股間の
スパッと切れ込んだ肉の溝へと入っていった。
「もも、そこは自分で拭くから、…いいからぁ、やめっ、あっ…」
あたしの言葉なんて全然無視。
ぐいぐいと、ワレメにタオルをねじ込むようにしてこする。
一番感じるボタン、クリちゃんに生地が触れると、ちょっと痛かった。
お尻をキュッと締めて、うっ、って軽く悲鳴を上げる。
「ごめん…痛かった?」
「だ、大丈夫、…もうちょっと優しくして…」
あたし何言ってるんだろう…。
いつのまにか自分が足を広げて、腰を突き出す格好をしていることに気づく。
女の子の大事な部分を、友達のカオに近づけて、いたずらして欲しいってねだってる。
「後ろ向いて、お尻も拭くから」
桃子の言葉にあたしは振り返り、長机に手を突いてお尻を突き出した。
まだ湿っている二つの丘にタオルが当てられ、オシッコの水滴を拭き取る。
そのまま谷間に入り込み、布地越しにお尻の穴までグリグリと、指先を押し込む
ようにされると、なんかホント変な感じ…。
そう、オナニーが調子いい時のような…。
あ…、やばい。
ワレメの奥から、なんか、熱いのがツーって出る感覚。
オシッコじゃなくて、ヌルヌルした別のモノ。エッチなオツユ。
「めぐ、気持ちいいの?お尻の穴、パクパク開いたり閉じたりしてる…」
「やぁっ、やだ、やだ…何?何言ってるの桃子ぉ」
「それにワレメのとこ、ちょっと光ってる。これ、ネバネバした奴でしょ。キモチいい
時に、パンツについてる、アレ、あの液…」
桃子、知ってるんだ!
年上だけど、なんか子どもっぽいから、そういうの興味ないかなって思ってた。
…ってことは、オナニー…してるのかなぁ?
そういう話、したいけど、今ここでしたら、なんか止まらなくなる、と思う。
「めぐ…、さっきオナニー、してたよね?」
!!!!ほえっ!!!!
バレてるっ!?というか、見てたの?
目をまん丸に見開いて、冷や汗を流しながら桃子に振り返る。
逆への字の口で、ちょっと顔を赤くしながら、モジモジしている小学生。
向こうも決心の末の告白なのかもしれない。
それなら、ごまかす必要も無い。
「うん、…実はしてたの。鏡に向かってー、って…ヘンタイだよね、ははっ」
その上、気持ちよすぎてお漏らししちゃうなんて、バカみたい。
でも桃子は笑うどころか、元々細い目をさらに細くして、小さな声で言った。
「…あたしも…したことあるから、同じヘンタイだよぉ」
「…えっ?って、ーていうとぉ、お、おなにぃを?」
コクリとうなづく桃子。
「しかも、お漏らししたことがある……?」
もう一度うなづく桃子。
な、なーんだ仲間じゃないか。ドキドキして損した。
あたしは桃子に向き直り、その肩を掴んだ。
「…そうなんだ。どういう風に、アレ、やるの?」
「やぁだ、ふふふ。秘密!」
「そんなこと、ここまで来たら、仲間でしょ!エッチ仲間、気持ちいいことの
情報はみんなで楽しまなきゃ…」
あたしはいたずらっぽく桃子にすりより、そのスカートの中に手を入れた。
マンガなどで得た、ちょっとした性知識。「ぜんぎ」って言うんだ。
「あっやだぁ…めぐ、どこ触ってんのぉ、そこもぉのパンツ…」
ぴったり閉じた太腿の付け根の隙間に指先を差し込む。
じっとりと、パンツの生地が濡れていた。かなり盛大にぐしょぐしょで、サラサラの
液体がまとわりつく。
まさか、桃子もオシッコを漏らしちゃった?
慌てて手を引っ込め、その先端を嗅ぐ。
ギョッとする桃子。
愕然とする、あたし。
「えっ、何、これ…?」
「やだぁ、アソコのヌルヌルだよぉ、そんな匂い嗅がないでよぉもぉ…」
柑橘系の果物のような、動物の獣のような、女の子の吐息のような。
汗臭さ、オシッコ臭さ、乳臭さ。
どんなものとも例えられない、そんな香り。
あたしのアソコの匂いと、まったく違う。あたしのは…普通?なのか知らないけど
こんな香水のような感じはしない。わりと、生臭いと思う。
「桃子…ちょっとごめんっ」
「あ、何?めぐ、ちょっと、やだ…」
もっと近くで嗅ぎたい。あたしは突発的にしゃがむと、桃子のスカートをまくり
あげた。白いシンプルな、ちょっとくたびれている女児下着。スリットの部分が
完全に食込んでいて、ワレメの形を描いている。ちょっとエッチだった。
恐る恐るYゾーンの中心へ鼻を近づける。ムン…と、立ち上る桃子の臭気。
なんか、変なの。これ、匂いだけで、コーフンする。アタマがクラクラする。
気がつくとあたしは、桃子のパンツを強引に下ろそうとしていた。
「やっ!やだぁ、めぐやめて!」
白い肌、ツルリとした割れ目の上部が見え隠れする。
スカートを押さえつけて抵抗する桃子。ちょっと泣き顔みたい。
さすがに罪悪感を感じてきたし、ちょっと自分、暴走気味?
「…ここじゃやだぁ」
「そうだね、ごめん!って…ええっ、ここじゃなかったらいいの?」
桃子は、いつもの口のまま、答えない。
けど、彼女の表情を見ればわかる。
ふたりの秘密の時間が、これからもっと増えるであろうことが…。
さて、更衣室にあまり長く居ても怪しまれる。ずっと下半身丸裸のままだったあたし。
急になんだか恥ずかしくなってきた。
「ねえとりあえずパンツ、貸してくれる?」
「あっ、あれーウソ!持ってないの!」
はぁ〜?
眉間にしわを寄せるあたしの顔を見て、少しおびえた様な表情をする桃子。
「…めぐが、エッチな子かどうか、知りたかったから、…その、ごめん」
「それで更衣室に誘って?…はぁ〜もぉ〜」
まぁ…、いいか。スカートじゃないから別にノーパンで帰っても問題が無い。
カバンから着替えを取り出し、足を突っ込む。桃子が耳元で囁いた。
「…で、次のレッスンはいつにする?」
レッスン、ってエッチな方…?
やだ、何、言ってんの!コツン、とグーで小突いた。
クスクスと笑って舌を出しながら逃げる桃子。
まずい、可愛すぎる…。
この時。
あたしは、自分が魔性の存在に囚われつつあることに、何一つ気づいていなかった。
(つづく)
- 2008/06/06(金) 02:09:32|
- 41話〜|
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